Lesson 6

応用会話


斉藤 女主人 50才ぐらい
       男の訪問客       


斉藤 「いらっしゃいませ。さあ、どうぞこちらへ。」
「どうも、どうも。」
斉藤 「さ、どうぞおあてくださいませ。」
「失礼いたします。ごぶさたいたしましたが、 みなさんお元気ですか。」
斉藤 「はあ、おかげさまで。お宅さまでもお変わり ございませんか。」
「ええ、下のむすこもやっと大学にはいりました。」
斉藤 「それはよろしゅうございましたね。宅では、来年 大学なので、ここ二、三カ月来、いっしょけんめい 勉強しているようでございます。」
「いまは … …。」
斉藤 「となりの部屋におります。そのうちごあいさつに 参ると思います。」
「ご勉強が終わったところなんですね。」
斉藤 「と、おっしゃいますと … …。」
「ラジオが聞こえておりますから。」
斉藤 「いえ、それが勉強している証拠なんでございますよ。 音楽かなにか聞きながらでなくては勉強ができない と申しまして。」
「ああ、いわゆる『ながら族』ですね。うちのむすこ たちも完全な『ながら族』で、一日中テレビやラジオ をつけておいて勉強していますよ。」
斉藤 「若い人にはそういう人が多いようでございますね。」
「私などは静かな所でなければ仕事ができないほうで、 うるさくて困りますからラジオを消すようにと時々 注意するんですが、消すとかえって勉強ができない と言うんです。」
斉藤 「そういうものだそうでございますね。なにか音を 聞きながらやるのが癖になってしまっているんで ございますね。私どものような中年の者にとって は、そんなこと、とてもできそうにもございませ んが。」
「『ながら族』にとってはそのほうが能率が上がるん だそうですから、一概に悪いとは言えませんがね。 まあしかし家族の者にとっては迷惑千万です。この ごろは家も狭いし、隣の家も近いですからね。」
斉藤 「そうでございますよ。聖徳太子じゃございません から、一度にいろいろの音を聞いてわかるという わけにはまいりませんものね。」
「とにかく、困った習慣がはやりだしたものですなあ。」