Lesson 4

応用会話


吉川        男の訪問客        40才ぐらい
藤原 女主人 40才ぐらい


吉川 「やあ、新しいテレビをお買いになったんですね。」
藤原 「ええ、うちでもとうとう二台目を買いました。わたし どもと子供たちでは見たい番組が違いますので。」
吉川 「しかし、テレビの普及ぶりは大したもんですね。」
藤原 「そうですね。日本全国で何万台ぐらいござい ましょうね。」
吉川 「そうですね。二千三百万台近いんじゃないですか。 とにかく膨大な数ですよ。」
藤原 「じゃ、大ていの家には一台あるわけですから、子供 たちがながら族になるのも当然でございますわね。」
吉川 「うちの娘たちなんか上のも下のも、完全なながら族 なんですよ。一日じゅうテレビをつけっぱなしです。」
藤原 「でもね、子供ばかりじゃございません。お隣の奥さん なんか、洗たく機を回しておいて、テレビでお芝居の 中継を見ながら、編物をするんですって。しかも、 編物をしながら子供の宿題を手伝ってやるんだって おっしゃってましたよ。」
吉川 「なるほど。家庭の電気気具がこう普及してくると われわれの生活ぶりも変わってきますよね。奥さん がたの仕事が楽になってけっこうですね。」
藤原 「はあ、それはもう、仕事は楽になりましたが、便利に なると時々悪いこともありますね。たとえば、先日の 新聞によりますと、小さい子供が洗たく機の中に落ち て死んだそうですし、うちの子も扇風機けがをした ことがございますし。」
吉川 「それはいけませんね。実はわたしも大きなテレビっ子 で、夜おそくまでテレビを見ていて、朝起きられない ものですから、家内おこりましてね。」
藤原 「そうですか。で、どんな番組をご覧になりますの。」
吉川 「まずスポーツの中継ですがね、それから外国の生活を 紹介した番組なんか好きですね。こういうのは国際間 の理解を高めるのに役立ちますから。」
藤原 「そうですね、わたくしもそういう番組は大好きでござ います。マス・コミの影響っていいますと、一概に 悪いように言いますけど、いい点もあるわけでござ いますものね。」
吉川 「そうです、そうです。じゃ、今度家内にお会いになっ たら、ぜひそう言ってやってくださいませんか。」
藤原 「はいはい、かしこまりました。」
吉川 「テレビも洗たく機と同じでやっぱり一つの道具ですか らね、うまく使いこなすようにしなくちゃいけないん ですよね。」